【2章-3】大人の不安が、子どもの反応を強めてしまうとき

関係性と安心の土台

第2章・第3話

親や先生の不安が、子どもの反応を強めてしまうとき

前回までで
子どもの反応が「関係性の中」で
強まっていく仕組みを見てきました。

今回は
親や先生の不安が
どのように子どもに
届いてしまうのかを扱います。





「このままで、本当に
 大丈夫なんだろうか・・・」

これは
不登校や強い反応を示す
子どものそばにいる

ほとんどすべての親や先生が
一度は抱く不安です。

・この状態が
 長引いたらどうしよう

・この先、社会に
 出られるのだろうか

・今、何か手を打たなきゃ
 いけないんじゃないか

そう考えてしまうのは
自然で当然なことですよね。



皆さんそれぞれに
程度の差はあると思います。

・色んな学びをされて
 大丈夫と思おうとしている。
 けれど、いつもやっぱり
 気になってしまう とか

・もう心配でたまらない とか。


でも、どんな方でも
そこに共通しているのは

やはり
・目の前の子どもを守りたい。
・苦しませたくない。
・取り返しのつかないことに
 なってほしくない。

そんな無意識の切実な思いです。

その思いは
「なんとかしなきゃ」という
焦りを生みます。



ここで
ひとつ大切な視点があります。

“心配している自分“から離れて
自分と子どもが一緒にいる空間を
眺めてみるイメージで
読み進めてみて下さい。

子どもは、その空間で
大人の言葉よりも
大人の“内側の状態”を
感じ取っています

たとえ、口では
「大丈夫だよ」
「無理しなくていいよ」
と言っていたとしても——

心の奥で
「このままで大丈夫なんだろうか」
「本当は、変わってほしい」
「どうにかしないと…」

そんな不安や焦りが
強く渦巻いていると

それは、言葉にならない形で
子どもに届いています。


すると、子どもの心は
その空気をこう受け取ります。

「ここは、まだ
 安全じゃないかもしれない」
「何か、期待されている」
「このままじゃ、いけないんだ」

——すると、どうなるでしょうか。

心は、再び
安全センサーを強く働かせます。

・緊張が高まる
・反応が強くなる
・甘えや怒りが増える か
 逆に、さらに閉じてしまう

これは
大人の不安に“影響された”というより
不安を察知して、守ろうとした結果です。


では、もし、そんな状態に
なっていらっしゃっるとしたら

「自分がしてきたことが
 だめだったんだ・・・」と

また、ご自分を責めそうになる方も
いるかもしれませんが

ここで
とても大切なことをはっきり言います。


これは、親や先生の
「失敗」ではありません。


あなたが不安になるのは…
切実な思いを抱いてしまうのは…
子どもを思っているからです。

「このままでいい」と
簡単に受け入れられないほど
真剣に向き合ってきた証です。

だから
「不安を感じてしまう自分」を
責める必要は、どこにもありません。


むしろ
ここで必要なのは
不安を消そうとすることではなく
不安の“意味”に気づくこと
です。


その不安は
あなたの中にある
「守りたい」という反応です。

過去に
・助けられなかった経験
 自分が助けてもらえなかった経験
・後悔した出来事
 自分の人生で残っている禍根
・見過ごしてしまったと感じている罪悪感
 見過ごされてしまった辛い思い

そうしたものがあると
無意識のうちに

「今度こそ、失敗できない」
「同じ思いを子どもに味あわせたくない」

という前提が積み重なっていきます。

そして、その前提が
子どもの状態を見るたびに
あなた自身の心を緊張させる。


つまり
================
子どもの反応が強まるとき
大人の内側でも、反応が起きている

================
ということです。


ここで、逆説人生法則の視点に
立ち戻ります。

反応は
「役割が理解された」だけで
弱まるのではありません。

その反応が
何を守ろうとしていたのか

その意味を理解され
「そうだったんだね」と
心の中で受け止められたときに
自然と力を緩めていきます。


これは
子どもだけでなく
大人にも同じように起きます。

自分の不安を
「ダメなもの」と押さえ込むほど
緊張は続きます。

でも
「私は、怖かったんだ」
「失敗したくなかったんだ」
「この子を守りたかったんだ」

そう気づき
その反応に向けて
少しだけ優しいまなざしを向けられたとき

大人の内側の安全センサーも
静かに落ち着いていきます。


そして、不思議なことに。

大人の内側の緊張がゆるむと
子どもの反応も、少しずつ変わり始めます。

何か特別な言葉をかけなくても。
新しい方法を試さなくても。

空気が、変わる。
関係の“温度”が、変わる。

それが、
子どもにとっての
「安全かもしれない」という
最初のサインになります。


この話で
一番覚えておいてほしいことがあります。

子どもの反応が強いとき
「どうにかしなきゃ」と感じるあなた自身も
すでに十分、がんばってきたということ。

だから
親や先生が変わる、というのは、
「もっと頑張る」ことではありません。

少しだけ
自分の内側の反応にも
目を向けてあげること
です。


次の話では
この視点が一番“逆説的”に見えるところ——

「子どもを変えようとしない関わりが
なぜ回復を早めるのか」

その理由を
丁寧にひもといていきます。



———
▶ この章を続けて読む
【第2章|関係性の構造 一覧】
https://kokoronokizu.jp/tag/第2章_関係性の構造/

———
岩永留美
心の傷を回復と成長の力に変える|逆説人生法則メソッド開発

コメント

タイトルとURLをコピーしました