【2章-2】「よくなってほしい」が強いと、回復が遠ざかる?!

関係性と安心の土台

第2章・第2話

「よくなってほしい」が強くなるほど、遠ざかるもの


前回の話では
「よくなってほしい」という思いが
なぜ回復を遠ざけてしまうのか
見てきました。

今回は
それをさらにわかりやすく
解説していきます。





「よくなってほしい」
親や先生がそう願うのは、当然です。

少しでも笑ってほしい。

朝、起きられるようになってほしい。

学校に戻れなくてもいいから
せめて安心してほしい。

でも——
その願いが強くなるほど
なぜか遠ざかってしまうものがあります。

それは

安心』です。

子どもは敏感です。
大人の「よくなってほしい」の奥にある

「このままだと困る」
「早く変わってほしい」
「元に戻ってほしい」

という焦りや緊張を
言葉より先に感じ取ります。

そして
その瞬間に心はこう受け取る。

「今のままでは、ダメなんだ」
「ここにいるだけじゃ、足りないんだ」


——だから、余計に心が固まる。
——余計に反応が出る。


ここで起きているのは
性格でも、甘えでもありません。

心が「安全ではない」と
判断したときに起きる
ごく自然な反応です。


そして、多くの場合
子ども自身もまた
「よくならなきゃ」と
思っています。


だから、家の中が
静かなプレッシャーで
満ちていく。

「回復しなきゃいけない」

「前みたいにならなきゃいけない」

「ちゃんとできるように
 ならなきゃいけない」

——この空気が、いちばん苦しい。


そう
「回復しなきゃいけない」
というプレッシャーです。

こうなると
安心は増えるどころか
むしろ減っていきます。

その代わりに、心の中には
「期待に応えなければならない」
という緊張が、静かに積み重なっていく。


これでは
回復は進みにくくなりますよね。

だから、ここで本当に大切なのは
「よくならせてあげようとすること」
ではありません。

「今の状態でも、大丈夫なんだ」
そう、心から感じてもらうことです。

話せなくてもいい。
動けなくてもいい。
元気じゃなくてもいい。

それでも、ここにいていい。
それでも、関係は壊れない。

この感覚が
ようやく心に届いたとき
はじめて「安心の土台」が生まれます。


では、次に
「安心の環境になりました」となった後
よく起きる誤解があります。

それは、
安心が増えた直後に
反応が強く出るように見えることです。

・急にイライラが増える
・甘えが強くなる
・要求が増える
・泣く、怒る、荒れる
・逆に、急に無気力っぽくなる

すると大人は戸惑います。


「え…安心させたのに?」
「むしろ悪化した?」
「やり方を間違えた?」

でも、ここも大事な前提があります。


反応は、
役割が理解されたから弱まる
のではありません。

反応の“本当の意味”が理解され
「守ろうとしてくれてたんだね」と
愛されることで、自然に緩んでいきます。

そして
安心を感じた時、心は
それまで溜め込んでいたものを
表に出そうとします。


今までは
出したら危ないと思っていた感情が

「ここなら・・・
 出しても大丈夫かもしれない・・・」


と感じるから。


つまり、これは後退ではなく

回復の入口に立ったサイン

であることが多いのです。


だから
いちばん伝えたいのは、ここです。


「よくなってほしい」と願うほど
その焦りが強いほど
子どもの心は“安全確認”に入ってしまう。


だから、順番を変える。


回復を急がない。
正解を押しつけない。
改善をゴールにしない。



まずは
*・゜゜・*:.。..。.:*・’・ 


「今のままでも、大丈夫」
このまなざしが土台になる。

*・゜゜・*:.。..。.:*・’・ 


その安心の上で初めて
反応の意味を理解し
反応を愛してあげることができる。

反応は敵じゃない。
自分を守る術だったのです。


次の話では
「心が安心した直後に反応が強く出る」
現象を、もう少し構造として整理しつつ

「じゃあ大人は、具体的に
 何をすると安心を増やせるのか」

その“関わりの地図”に入っていきます。



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▶ この章を続けて読む
【第2章|関係性の構造 一覧】
https://kokoronokizu.jp/tag/第2章_関係性の構造/


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岩永留美
心の傷を回復と成長の力に変える|逆説人生法則メソッド開発

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