【0章-0】“心の傷を抱える人”は、遠くの誰かじゃない

心の傷と回復


「心の傷」と聞いて
あなたはどんな人を
思い浮かべるでしょうか。

・ひどいいじめを受けた人。
・重たい家庭環境で育った人。
・ニュースになるような事件に
 巻き込まれた人。

そんなふうに
どこか「特別で大きな出来事」を
思い浮かべるかもしれません。


でも実際は
心の傷はもっと静かで
もっと身近なところにあります。

・クラスで、いつも黙って
 座っているあの子。

・スマホを手放せなくなり
 眠れなくなっている中高生。

・朝になると、体が
 起き上がらなくなる子ども。

・大人になっても、人前に立つと
 急に息が苦しくなる人。

・仕事はこなせているのに
 ふとした瞬間
 「自分はここにいていいのかな…」
 理由のない不安に飲み込まれる人。

そして——
もしかしたら

今これを読んでいる
あなた自身も、なにかしら
心の傷を抱えているのかもしれません。


心の傷は
レントゲンには写りません。
数値で測れるものでもありません。

「ここからが傷」
「ここまでは傷じゃない」と
はっきり線を引けるものでもない。


それでも
わたしたちの心の中には
確かに残っています。

「あの時の一言が
 今も胸に刺さっている」

「あの場面を思い出すと
 体が固まる」

そんな
ささやかな記憶として。


外から見れば
取るに足らないことに
見えるかもしれません。

・給食の時間に笑われたこと。

・グループLINEから外された夜。

・教室の前で、足がすくんだ朝。

・大人になってから
 「昔のことは忘れなよ」と
 軽く言われた一言…


けれど
こうした“ひとつひとつ”は
心の奥でゆっくりと層になり
織り重なっていきます。


しかも厄介なのは
その多くが外から見えないこと。

ときには
本人でさえ見ないように
してしまっている
ことです。


「これくらいで傷つくなんて、
 大げさだよね…」

「気にしすぎなのは、
 わたしの方かも…」


そうやって
自分の痛みを小さくして
なかったことにしようとする。

けれど
心はちゃんと覚えています。


そして——
もう二度と同じ思いをしないために
これ以上、傷つかないために…

怖れと緊張と我慢の膜を
必死にまとっていくのです。



次回から
具体的な物語を通して

「心の中で何が起きているのか」を
少しずつ見つめていきます。

・教室の中で続く
 見えにくいいじめ。

・24時間つながってしまう
 SNSの世界。

・不登校という
 心が踏んだ最後のブレーキ。

・そして
 大人になっても消えにくい
 “後遺症”のような生きづらさ。


どれも
特別な誰かの話ではありません。

今の日本で
ごく当たり前に
起きている現実です。

もしかしたら
ここに描かれる姿の中に

あなた自身や
あなたの大切な人を
重ねる瞬間があるかもしれません。


でも
ここでお伝えしたいのは

「こんなに大変なんですよ」と
深刻さを強調することでは
ありません。


むしろ、逆です。


心の傷を
「マイナス」
「なかったことにしたいもの」
として扱うのではなく

「そんな状況の中で
 よく生きてきたね」

「だからこそ、あなたの中には
 あなたさえ気づいていない力が
 育っているのかもしれない」

そんな視点を
ここから一緒に育てていきたいのです。


そのためには、まず——

いま心の中で
「何が起きているのか」
「どんな感情のやりとりが続いているのか」

ここを
丁寧に見つめ直す必要があります。

このブログは
そのスタート地点。


ここで描くのは
“かわいそうな人”の話
ではありません。


傷つきながらも、
それでも日々をやりくりし
生きのびてきた人たちの
静かで力強い記録です。

もし、読みながら
胸が少しざわっとしたり

「あ、これ……
 わたしのことかもしれない」と
感じる瞬間があったなら——


それは、あなたの心が
「自分のことも
 一緒に見てみたい」と

小さく手を挙げている
サインかもしれません。



次回からお届けする三つの物語は
「公開プロローグ|第0章」です。

ここでは
答えを出すことよりも
「今、心の中で何が起きているのか」を
感じてもらうことを大切にしています。


どうぞ
力を抜いて読み進めてください。



———
▶ この章を続けて読む
【第0章|公開プロローグ】
https://kokoronokizu.jp/tag/第0章_公開プロローグ/

———
岩永留美
心の傷を回復と成長の力に変える|逆説人生法則メソッド開発者

コメント

タイトルとURLをコピーしました