【4章-5】何も変わっていないように見える日々の中で、確かに始まっていること

大人の内側の解放

第4章・第5話

何も変わっていないように見える日々の中で、確かに始まっていること

大人が楽になると、関係は自然に変わる

関係を変えようとしなくても
関係は変わっていきます。

大人が少し楽になるだけで…。

その連動を
4章の最後に整理しますね。





この時期
大人が一番戸惑うのは

「結局、何が変わったのか分からない」
という感覚かもしれません。

学校には、まだ行かない。
生活リズムも、大きくは変わらない。
会話が増えたわけでもない。

それでも——
以前とは、何かが違う。

でも、それが
「成果」や「変化」として
言葉にできない。

この曖昧さが
大人を不安にさせます。


けれど、回復の初期段階で
起きている変化は

とても地味で
外からは見えにくいものばかりです。

たとえば——

・目が合う時間が
 ほんの一瞬だけ長くなる

・質問に対して「うん」「別に」
 以外の返事が出る

・部屋のドアが
 少しだけ開いている

・夜中に起きていたのが
 少し減る


どれも
「変化」と呼ぶには
あまりに小さい。

でも、これらはすべて
安全確認が一段階、次に進んだサインです。



ここで大切なのは、
この変化を
「評価しない」こと
です。


良くなった!

前進した!

このまま行ける!

そうやって意味づけた瞬間
大人の中に
また“期待”が立ち上がります。

期待は悪者ではありません。

けれど
まだ芽の段階の変化にとっては
重すぎることがあります。

子どもは
その期待を
とても敏感に感じ取るからです。


回復が動き出した子どもは
まだ不安定です。

「動いても大丈夫か」

「また元に戻らないか」

「失敗したら、どうなるか」


それを
何度も、何度も
確かめながら進んでいます。


だから

一歩進んで、二歩下がる。
話した翌日、また閉じる。
安心したあと、急に荒れる。


こうした揺れは、
失敗ではありません。

確認作業の一部です。



このとき
大人に起きやすいのが
こんな内側の声です。

「せっかく良くなりかけたのに」
「やっぱり無理だったのかもしれない」
「また最初からやり直し?」

でも
ここで思い出してほしいのです。

最初に変わったのは、
子どもではありません。

あなたの反応でした。


焦りが出たとき
すぐに言葉を投げなくなった。


不安になったとき
子どもを動かす代わりに
自分の内側を見た。

その積み重ねが
ここまで連れてきたのです。



回復の初期に起きているのは
「前に進むこと」ではありません。

戻らなくなっていることです。

以前なら
子どもの反応一つで
関係全体が緊張に戻っていた。

今は
揺れても
関係が壊れない。

ここが
決定的な違いです。



この章で
お伝えしたかったのは

大きな成功体験では
ありません。

「すごく良くなった」
という話でもありません。


・壊れない関係が
 育ち始めていること

・安心が、日常に
 溶け込み始めていること

・変化は、外より先に
 内側で起きること

その事実です。



次の章では
この変化が、大人自身の人生に
どう影響していくのかを見ていきます。

子どものために始めた関わりが
いつの間にか
あなた自身を縛っていた…

そこをどう緩めていくのか
次は、あなたの側から
丁寧に辿っていきましょう。


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岩永留美|逆説人生法則

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