【2章-5】大人が立ち位置を変えたとき、最初に起きる変化

関係性と安心の土台

第2章・第5話

大人が立ち位置を変えたとき、最初に起きる変化

これまでに、大人の関わりによって
子供の反応が変わることを
お伝えしてきましたが

関わり方を変えたからといって
すぐに劇的な変化が
起きるわけではありません。

でも、
確実に起き始める
「最初の変化」があります。

今回は
回復の入り口で現れる
小さなサインに目を向けていきます。





子どもが回復し始めるとき
多くの人がイメージするのは
こんな変化かもしれません。

・学校に行けるようになる
・笑顔が増える
・前向きな言葉を口にする
・問題が解決する

けれど、現実は
そんなに分かりやすく
ありません。

むしろ最初に起きる変化は
とても地味で
見落とされやすいものです。


大人が
「変えようとする立ち位置」から
「今のままで大丈夫だと
 感じていられる立ち位置」へ
少しずつ移動すると

まず変わるのは
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子どもではなく
大人自身の反応です。
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・沈黙に、以前ほど
 焦らなくなる

・イライラや不安に
 飲み込まれにくくなる

・「このままでいいのかな…」
 という思考が、少し静まる…


これは
「諦めた」のではありません。

大人の心が、
“今は守りの時間だ”と

理解し始めたサインです。


すると、子どもの心にも
小さな変化が現れ始めます。

それは
行動ではなく
反応の質として表れます。

・部屋から出てくる時間が
 ほんの少し増える

・こちらの声に返事はなくても
 表情が変わる

・イライラしたあと
 回復が少し早くなる

・何気ない一言を
 ぽつりとこぼす…

周りから見れば、
「ほとんど変わっていない」
そう見えるかもしれません。

でも、心の中では
とても大きなことが
起きています。


それは
==========
安全かもしれない
という仮説が生まれる
==========
という変化です。

「今のままでも
 許されるかもしれない」

「失敗しても
 見捨てられないかもしれない」

この「かもしれない」が
回復の最初の芽です。

心は
確信が持てない場所では
動きませんが

“仮説”が持てると
そっと様子を見始めます。

反応を緩めてみたり
感情を少し外に出してみたり。

そして
その反応が受け止められたとき
安心は、ゆっくり…
確信へ変わっていきます。


ここで大切なのは
この段階を「まだダメ」
「全然進んでいない」
と評価しないことです。


回復の初期は、
見えない変化が
圧倒的に多い


そして
この見えない変化を
信じられるかどうかが
その後の流れを
大きく左右します。

大人が

「これでいいのかな…」
「やっぱり何かしなきゃ…」

と不安に戻ると
子どもの心は
再び守りを固めます。

でも
「今は、これでいい」
「動かない時間も、必要な時間」

そう理解されている
空気の中では、

心は、少しずつ
力を溜めていきます。


回復とは、
何かを“足す”こと
ではありません。

壊れたものを
修理することでもありません。


*・゜゜・*:.。..。.:*
もう守らなくて
いいかもしれない
*・゜゜・*:.。..。.:*

そう感じられる瞬間が
増えていくこと。

その積み重ねが
やがて行動として表に現れます。


第2章では、
「関わり方」を扱ってきました。

・よくなってほしい気持ちが
 なぜ逆効果になるのか

・大人の不安が、どう
 子どもに届いてしまうのか

・変えようとしない関わりが
 なぜ回復を早めるのか

ここまで読んでこられた
もしあなたが

「少し、肩の力が抜けた」
「急がなくていいかも…と思えた」

そう感じていらっしゃったら
それ自体が
もうひとつの回復です。


次の章では、
視点を子どもの内側に移します。


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▶ この章を続けて読む
【第2章|関係性の構造 一覧】
https://kokoronokizu.jp/tag/第2章_関係性の構造/
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岩永留美
心の傷を回復と成長の力に変える|逆説人生法則メソッド開発



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