第5章・第5話
この視点は、世界を少しずつ変えていく
これまで
たくさんの「心の傷」と
そのそばに立つ人たちの姿を
見つめてきました。
子どもを
なんとか元に
戻そうとした人々…
正しい関わり方を模索し
言葉を選び
必死に説得しようとした
多くの人の足跡…
けれど
回復はいつも
その努力とは真逆の場所から
静かに始まっていきました。
直そうとしないこと。
分からせようとしないこと。
良くなれ、と願いすぎないこと。
ただ
「そのまま、ここにいていい」
という空気が流れたとき
心は
自分で動き出す力を
取り戻していったのです。
この視点は、特別な人のためのものではありません。
専門家である必要も
強い人である必要もない。
親でも、先生でも
支援者でなくてもいい。
誰かのそばで
「どうしていいか分からない」と
立ち尽くしたことがある人なら
きっと
もう触れているはずです。
回復は
外から与えられるものではなく
内から湧き出てくるもの
だという感覚に…。
逆説人生法則の視点で、生き始めた人たちの中には
・引きこもっていた子が
少しずつ外に
出られるようになったり
・何も話さなかった子が
「もういいから…笑」と言うほど
話すようになったり
・学校という場所を離れ
別の居場所で生き生きし始めたり
そんな変化が
決して劇的ではない形で…
でも確かに起きていきました。
それらに共通しているのは
誰かが正解を
与えたわけではない
ということ。
安心が先にあり
理解はあとからついてきた。
その順番が
すべてを変えていきました。
このブログは・・・
「答え」を渡すための場所
ではありません。
ここにあるのは
ものの見方であり
世界との関わり方であり
ここでお伝えしたことを
実践した人たちの
静かな記録です。
もしかしたら
この先、書籍という形で
もう少し体系的に
まとめられるかもしれません。
あるいは
ここでの続きを
また別の形で書き始める日が
来るかもしれない。
それは
まだ決めていません。
でも一つだけ
はっきりしていることが
あります。
傷を持ったまま、生きていい。
分からないまま
立ち止まっていい。
回復を、急がなくていい。
この視点を持つ人が
一人、また一人と
増えていくことで
「問題を減らす社会」から
「回復できる社会」へ。
世界は
声高にではないけれど
でも、静かに、確実に
形を変えていきます。
あなたが
今日、ここまで
読んでくれたことも
その小さな循環の一部です。
もし、この視点が
あなたの心を
少しでもゆるめたなら
いつか
必要な誰かのそばに
そっと置いてあげてください。
*
では、ここから先は
それぞれの現実の中で…。
必要なときがあれば
また戻ってきてください。
この場所は、いつでも
そのままのあなたを
迎える準備ができています。

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▶ この章を続けて読む
【第5章|循環と社会】
https://kokoronokizu.jp/category/循環と社会/
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岩永留美|逆説人生法則


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